この記事は大手〜中小まで複数のSIerの内定を持つ筆者が、自身の就活で得た知見をもとに執筆しています。

OBの方から頂いた情報や、SIerの人事の方の声を反映しており、

信頼度の高いリアルな情報を掲載しています。

こんな方におすすめ

・IT業界のSIerに興味がある方
・SIer企業を第一志望に定めている方
・SIer企業を含めて、企業選びを検討している方

業界・業種理解が深まる!先輩50人に聞いた就活レポート

SIer(システムインテグレーター)とはどんな仕事なのか?

一般的なビジネスモデル、SIerとは何か。

SIerとは、システムの企画、開発、保守・サポートなどの業務をクライアントから一括して請け負う情報通信企業のことです。

System Integratorを略してSIer(エスアイアー)と呼びます。

様々な業界の顧客企業の課題をITを通じて解決する、ソリューションビジネスを展開しています。

具体的にはITシステムの導入や最適化を支援し、業務の効率化や競争力の向上を図っている企業です。

【職種別で解説】SIerの仕事内容

営業 

SIer企業が提供するITサービスやソリューションを顧客に提案し、契約を獲得する役割を担います。

大まかな業務は、クライアントとの関係構築やニーズの把握、提案の作成・プレゼンテーション、交渉などです。

「具体的な仕事内容」

1.ニーズの把握
顧客の業務や課題を理解し、そのニーズや要求を把握します。

そして、顧客との対話を通じて、ITに関する課題や改善の可能性を特定します。

2.提案の作成・プレゼンテーション
顧客のニーズに応じて、SIerのサービスやソリューションを提案します。

提案書やプレゼンテーション資料を作成し、
顧客に対して効果的にプレゼンテーションを行います。

3.契約獲得の交渉
提案内容や価格条件などを顧客との間で交渉し、契約を獲得します。

価格交渉や契約条件の調整などを行い、
顧客との合意形成を図ります。

4.クライアントマネジメント
契約獲得後は、顧客との信頼関係を構築・維持します。

定期的な顧客訪問やフォローアップを通じて、顧客の満足度を高め、追加のビジネスチャンスを見つけ出します。

5.マーケット調査と競争分析
営業職は、市場動向や競合他社の動向を調査・分析します。

自社のサービスやソリューションの競争力を把握し、適切な戦略を立案します。

SIerの営業職では、ITに関する知識や業界の動向を把握し、顧客との信頼関係を築く能力が求められます。

また、営業スキルや交渉力、プレゼンテーション能力、チームワークも重要な要素となります。

プログラマー 

コンピュータプログラムを作成する専門家または開発者を指します。

プログラマーは、コンピュータ言語を使用してソフトウェアやアプリケーションの開発やメンテナンスを行います。

「具体的な仕事内容」

1.プログラムの作成
ソフトウェアやアプリケーションの要件に基づいて、コンピュータプログラムを作成します。

プログラムは、特定のプログラミング言語を使用して記述され、コンピュータが実行できる形式に変換されます。

2.ソフトウェア開発
ソフトウェアの開発プロセスに参加し、コーディングを担当します。

プログラミング言語や開発ツールを使用して、ソフトウェアの機能やロジックを実装します。

3.プログラムのテストとバグの修正
作成したプログラムをテストして動作の正確性やパフォーマンスを確認します。

問題やバグが発生した場合には、作業を行って修正します。

4.既存プログラムの保守と改善
既存のソフトウェアやアプリケーションの保守や改善作業も行います。

パフォーマンスの最適化、新機能の追加などが含まれます。

システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは、コンピュータシステムやネットワークシステムなどの設計、構築、運用、保守など、システムに関連する様々な業務を担当します。

「具体的な仕事内容」

1.システムの企画・設計・構築
顧客の要求やニーズに基づいて、システムのアーキテクチャや構成を設計し、必要なハードウェアやソフトウェアの選定や構築を行います。

システムの要件定義や仕様書の作成も担当します。

2.システムの運用・保守
導入されたシステムの運用や監視、定期的なメンテナンス、障害対応などを行います。

システムのパフォーマンスのモニタリングや問題解決も担当します。

3.システムの導入サポート
導入されるシステムをユーザーに適切に導入し、トレーニングやサポートを行います。

ユーザー教育やトラブル対応も担当する場合もあります。

4.プロジェクト管理
大規模なシステム開発プロジェクトにおいては、スケジュール管理やリソースの調整、プロジェクトの進捗管理なども行います。

顧客とのコミュニケーションや要件定義の調整も担当することがあります。

業界・業種理解が深まる!先輩50人に聞いた就活レポート

【内定者が解説】メーカー系、ユーザー系、独立系って何?

SIerは大きく3種類に分類されるのをご存じですか?ここではそれぞれの違いや強みについて内定者が解説します。

(注)一般的な説明です。詳細は企業の説明会やインターンシップ等に参加し、確認しましょう!

メーカー系 

パソコンやサーバーなどを製造しているハードウェアメーカーから独立したSIerです。

したがって、メーカーを親会社に持ちます。

事業内容は、親会社やグループ企業と共同でのシステム開発、運用が中心です。

外部顧客にシステム提供を行っている企業もあります。

《代表的な企業》
富士通、日立製作所、NEC、日鉄ソリューションズ、日立システムズなど

ユーザー系

金融系や通信系、商社などの大手企業の情報システム部門から独立したSIerです。

したがって、上記の企業などを親会社に持ちます。

事業内容は、親会社のシステム開発や運用が中心です。

例えば、保険会社を親会社に持つSIerは保険システム関係を扱っています。

外部顧客へのシステム提供は少ないため、営業よりもSEの数の方が多いです。

《代表的な企業》
NTTデータ、野村総合研究所、SCSK、ニッセイ情報テクノロジーなど

独立系

親会社を持たないSIerです。

独立系SIerは親会社からの縛りがないため、クライアントのニーズに合わせて自由な提案を行いやすいという特徴があります。

自社で営業することで、外部から案件を獲得しています。

《代表的な企業》
オービック、BIPROGY、TIS、大塚商会など
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SIerに入社後、活躍するために求められる知識やスキル

コミュニケーション能力

システム開発には、必ず納期が定められています。

納期までにシステムを完成させるには、プロジェクト内のメンバー、顧客との意思疎通が不可欠です。

多くの利害関係者を巻きこみ、調整するコミュニケーション能力、リーダーシップが求められるでしょう。

ITの専門性と課題解決力

SIerは顧客に対して、「最適なITソリューションを提供し、課題解決を支援する仕事」です。

その過程では[1]ITに関する専門的な知見と、[2]課題解決力が必要です。

[1] ITに関する幅広い知識とスキルが求められます。

プログラミング言語、データベース、ネットワーク、システム設計などの技術領域に関する高度な専門性が求められます。

常に最新の技術動向やトレンドにも関心を持ち、学習を継続することが求められるでしょう。

[2]顧客のIT課題やニーズを解決するために、課題解決能力が求められます。

論理的思考や分析能力を駆使して、課題の本質を把握し、
最適な解決策を提案することが重要です。

カスタマーサービス志向

顧客満足度の向上が重要です。

当事者意識を持ち考え、顧客のニーズを理解し、迅速かつ適切に対応することで信頼関係を築きます。

顧客の期待に応えるために、サービス志向の心構えを持つことが求められるでしょう。

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新卒でSIerを選択するメリットとデメリット

メリット

教育制度

SIerでは、研修制度が充実しており、人を育てる文化があります。

そのため、未経験でも入社することができます。

様々なキャリアパス

大手SIerでは、様々なキャリアを形成可能です。

プロジェクトマネージャー、
ITコンサルタント、ITスペシャリストなど、様々な選択肢があります。

転職先に恵まれている

個人の実力次第ですが、外資系IT企業、コンサルティングファーム、IT事業会社などへの転職を目指せます。

デメリット

多重下請け構造

SIerは元請け企業、一次請け企業、二次請け企業、、と階層構造を持ち、これを多重下請け構造と言います。

元請けでは上流工程(企画、要件定義)に特化している所もあり、下請けでは開発しか担当しない企業もあるようです。

そのため、あなたのキャリアビジョンによって、企業選びを慎重に行う必要があるでしょう。


プロジェクトガチャの存在

志望の案件にアサインされない可能性(プロジェクトガチャ)があります。

逆にやりたいことを仕事を始めてから探したい人にはおすすめです。

キャリアアップするにつれて、プログラミングよりもマネジメントの方に仕事内容が移ります。

よって、開発のキャリアを積みたい方にとってミスマッチとなる可能性があるでしょう。

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SIerのOB、人事に聞いたQ&A

新卒で大手SIerに入社された方に質問しました

なぜ新卒でSIerを選んだのですか?

IT技術はどの企業においても核となっていることが多いです。

ファーストキャリアで汎用性のあるIT技術を身に着けることで、市場価値の高い人材になれると考えました。

SIerで得られた専門性はどのようなものでしょうか?

SAPの会計システム導入に関するITコンサルティングスキルです。

他には、システムに関する知見、論理的思考力、課題抽出力を培いました。

SIerからの転職状況について教えて頂けますか?

①コーディングに携わりたい方はエンジニアの道に転職されます。例えば、Web系の事業会社などです。

②より上流工程に携わりたい方はITコンサルに転職されます。BIG4やアクセンチュアなどです。

戦略コンサルに転職される方は少ないです。そもそもやっている内容が異なります。

SIerの人事の方に業界について質問しました

将来的にクラウドサービスやローコード開発の普及によって、SIerの仕事は減少するのでしょうか?

確かにSIerの仕事が減少するかもしれませんが、20年間はそこまで変わらないでしょう。

例えば、金融系のシステムがクラウド化するにあたっては、セキュリティや責任の所在などの問題点が懸念されています

ローコード開発は、将来性に期待できますが、まだ難しいシステムを作ることが可能なレベルではありません。

[(注)ローコード開発とは、設計書をもとにAIが自動でプログラムを生成する開発方法です。]

この技術がいくら普及しても、それを管理し、運用する人間は必要です。

教育制度が充実しているのは本当でしょうか?

はい、本当です。
IT企業にとって「人は資産」だからです。

将来を担う優秀なIT人材を社内で育成することは、企業の発展に繋がります。

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新卒でSIerに入社することは推奨できる!

結論、新卒でSIerに入社することは推奨できます。

確かにデメリットはあるものの、将来性も十分にあり、前述したメリットが大きいと考えられるからです。

SIerは採用人数も多く、かつ一般的に優良企業と言われる企業が多いため、迷ったらSIerを選ぶのも悪くない選択でしょう。

ただし、どの業界にも適切な人と不適切な人が存在します。

自己分析をした上で、自分に最適な企業を選択し、納得内定を目指しましょう!

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