今回は大卒後、野球部員として大手メーカーに入社し、現在は大手人材企業で働きながら副業中のKさんにお話しを伺った。
自分のやりたいこと、好きなことを言語化した「Kさんのキャリアアンカー」を見て、自分なりに落とし込んでみてください!
「キャリアアンカー」とは、自らのキャリアを選択していく際に最も大事な価値観や欲求のことです。
Career Anchorでは、社会で活躍されている方へのインタビューを行っています!
読者自身が後悔しない就活軸を見つけるための記事を数多く作成しているので要チェックです!
Kさんの経歴と仕事内容
〇野球に向き合い進んだキャリア
新卒1年目は大手メーカーに就職しました。
業務内容は製品の品質管理と出荷業務の2つで、
発注した部品の確認や、必要な部材をメーカーに出荷するなどの業務を行いました。
しかし、僕は野球部員として入社したので、1日の半分以上を野球に充てることもよくありましたね。
3年でプロになると決断して入社したので、考えていたキャリアはプロの道のみでした。
〇人生の転機にかかわる「人材業界」への転職
大手メーカーを退職後、大手人材会社に転職しました。
大手人材会社でRA業務を行ったのち、中途採用の担当になり、現在もそこで働いています。
・RAとしての仕事
RA(リクルーティングアドバイザー):人材紹介会社にある様々な企業への営業担当者
僕がやっていたRAの業務は、中小企業やベンチャー企業の人事や営業の支援、エンジニア採用の支援でした。
また、VCの人と急成長中の企業についての打ち合わせをしたり、共同プロジェクトを遂行したりしました。
VC(ベンチャーキャピタル):有望なベンチャー企業に資金を提供する企業のこと
・KさんにとってKPIよりも大事なこと
KPI (Key Performance Indicator) :会社組織が設定した目標に対して、どれくらい目標達成できているのかを数値化するためのもの
僕が転職した人材会社のKPIは「面接合格者や内定承諾者の数」であり、他の人材会社と同じようなKPIだと思います。
僕はKPIの達成だけを目標に数をこなすなら「人材紹介屋」
企業の成長を考えるなら「人材支援パートナー」と考えてるんです。
そのような思いから、中途採用時には、本質的にその企業にとって本当に必要なことかを常に考えました。
例えば、会社が営業の人材を欲していても、本当にその事業に営業が必要なのか?と提案するのです。
その事業はマーケティングに力を入れるべきではないのか、
営業に人材を送っても育てられる環境にあるのかなどをヒアリングしながら進めていきます。
人材会社は紹介される人材の「人生の転機」に寄り添うからこそ、「重い」仕事なんです。
人材業界を目指す学生はこれを知ったうえで業界を選ぶことをお勧めします。
挫折からのキャリア選び
〇経験から生み出された挑戦
僕は野球部員として最初の企業に入社しましたが、怪我でプロを断念したので理想のキャリアプランが崩れたんです。
そんな僕はキャリアを歩んでいく中で、アスリートが自分の意思で社会人としての次のステージを歩んで行ける世界観を作りたいと思うようになりました。
アスリートは狭い世界の中で生きてきたこともあり、独自の価値基準をもっています。
これは世間一般の価値基準とはズレがあり、それをアジャストする経験を持っていません。
そのため社会では、「アスリートは使えない」「脳みそ筋肉」というレッテルを貼られてしまうのです。
僕は、アスリート自身が自分自身と社会の価値基準の重なる部分を知る機会がないこと。
そして、自分自身の活かし方を知らないだけだと思います。
そんなレッテルをアスリートが貼られない。
むしろ社会人としての価値基準アップデートし、社会人ビジネスパーソンとして圧倒的にパフォーマンスを考えられるアスリートを育成する仕組みをこの社会に構築したいと思うようになりました。
〇「やっぱりスポーツが好き!」
今後のキャリアを考えた時に「誰かが成長する姿を見たり、その仕組みを作ることが好き」なことに気づいたんです。
これと自分の得意分野を考えたときに、「複業」という選択肢が浮かび上がりました。
また、元々スポーツが好きという思いは捨てられなかったので、立ち上げた会社もスポーツ関連の会社になりました。
今後社会で活躍する人材とは。
〇そもそも社会で活躍する人材はどんな人材なのか。
社会で活躍できる人って伸びしろがすごくて、そういう人って自分の言葉で考えや想いを語れるんですよね。
そういう土台が丈夫だから、営業などのスキルを身につけていっても崩れないんです。
逆に、自分の言葉で話せない人は土台が不安定なので崩れる可能性が高くなります。
この土台は面接のときに僕が一番重要視している点で、面接開始5分で自分の言葉で話せているかどうかわかります。
他人からのアドバイスをもとにしたものは、自分の言葉になってないんですよね。
面接で伝えたいことの本当の理由や想い、経験を考えてみると自分なりの考えや言葉が出るはずです。
この考え方ができる人は伸びしろがある人だと認識できるので採用したくなります。
〇「現状維持は後退」はガチで起きている。
僕らは今、正解がない「VUCA時代」にいます。
VUCA時代:時代の流れが早く、既存の価値観やビジネスモデルが通用しない時代 のこと
VUCA時代である現在、
周りに教えてもらった正解を取りに行っても、たどり着いた時点で正解ではなくなっているケースが多い。
正解にたどり着くまでにかかる時間で多くのものが変わるからです。
今のビジネスの成長速度を踏まえると、「自分自身の正解は何か」を定義できる力が必要になると思います。
このグラフはVCや投資家が新規ビジネスを後押ししている証拠である。
これにより、新たなものが次々と生まれてくるので、
「正解が正解でなくなっているケースが多い」といえる。
スタートアップ:革新的なアイデアや独自性で価値を生み出し、社会にインパクトを与える企業
スポーツ経験のある学生が社会で活かせることって?
〇とりあえずやってみる精神を持っている
長年の野球経験から思うことは、スポーツ経験者は「面白そうだからやってみよう」という資質を持っていることです。
VUCA時代にいる僕らは、正解にたどり着くために、「アクションしてみないとどうなるかわからない世の中」に生きています。
とりあえずやってみて、正解にたどりつけるようにしてみてはいかがでしょうか?
〇プライベートも仕事もPDCAを回せ。
PDCA:仮説や検証に対して、Plan(計画)→Do(行動)→Check(調整)→Action(実践)の順番で自分の立てた数値や目標を振り返ると効率よく成果が上げられるという概念。
「とりあえずやってみる精神」と併せて持つべきなのが「振り返り」。
僕は3か月ごとの振り返りや目標設定、タスク整理を行っています。
スポーツは指標が明確なので目標を立てやすいですが、仕事は指標が人それぞれで違うので目標が立てにくいです。
僕の場合の「KPIよりも大事なこと」のように、自分の指標をもって目標設定していくのが大事なんです。
〇組織の観点をすでに学んでいる!
どんな立場でも、組織についての視点は絶対持っているはずです。
団体種目はもちろん、個人種目でも部活動という括りで経験しています。
リーダーなら組織の動かし方を知っているし、役職がなくても団体を客観視した際に自分なりの考えがあると思います。
それは社会に出てからも絶対に活きてくる要素なので、今までの活動の振り返りや今後の活動で活かしてみてください!