就活の答え合わせが済んだ社会人の視点から、後悔しない就活軸を見つけるインタビューサイト“Career Anchor”

今回は、これまで総合シンクタンク、独立系戦略ファーム、外資系コンサルティングファームの3社を経験し、

一貫して戦略コンサルタントとして勤務しているKさんにお話を伺った。

実際にKさんが入社して気づいたことや、就活生に知っておいて欲しいことなどを語ってくれた。

業界・業種理解が深まる!先輩50人に聞いた就活レポート

Kさんの経歴・コンサルの仕事内容

新卒で大手金融会社の総合シンクタンクに入社し、戦略コンサルタントとして3年弱勤務しました。

製造業や印刷業といったBtoB企業に対して、中期経営計画の策定、事業戦略、新規事業の立案などを行っていました。

その後、マッキンゼー出身の方が立ち上げた独立系戦略ファームで2年ほど勤務しました。

そこではBtoC企業、例えばゲーム会社とか旅行代理店とかを相手にしていましたね。

そういった企業の中期経営計画の策定とか、事業戦略、新規事業の立案に加えて、マーケティング戦略も行っていました。

現在は外資系コンサルティングファームに入り、公共系の案件に取り組んでいます。

Kさんの就活軸

僕が掲げていた就活の軸は、

①事業を前に伸ばすアプローチをしているか

②尊敬できる人がいるか

③コミュニケーションコストが少ないこと

の3つです。

事業を伸ばすコツはコンサルとベンチャーにある

「①事業を前に伸ばすアプローチをしているか」を軸に置いた理由は、

「将来的に何かを始めよう」と思ったときに、必ず役に立つスキルであると考えたからです。

具体的に、事業を前に伸ばすアプローチには2つあると僕は思っています。

1つは、「物事のロジックをちゃんと整理して、それを攻略するにはどうやればいいかを考える」こと。

例えばゲームの攻略本なんかがそうですね。

ゲームと一緒に攻略本も買って、どこでレベルアップするか、どこにアイテムがあるかみたいなことを知ったうえで進めていく。

こういうふうに、

物事の背景にあるロジックを分析して、どうすれば効率的に進められるのかを考えるのが物事をうまくやるコツだなと思っていて、

それが身につけられるのはコンサルタントだなと考えました。

2つ目は、「とにかくトライ&エラーと繰り返す」こと。

これはベンチャーによくある手法ですね。

とにかく色々やってみて、上手くいったらそれで良いじゃんという感じです。

僕はこの2点から、コンサルとベンチャーに方向性を絞りました

コンサルを選んだきっかけは、「あっ、この人頭いい!」

また「②尊敬できる人がいるか」と「③コミュニケーションコストが少ないこと」に関しては、

面接やインターンをしながら判断していきました。

僕はケース面接がうまくできなかったんですが、とあるコンサルティングファームのケース面接を受けた時に、

担当の方が僕の言いたかったことをすごく上手にまとめてくれて、「あっ、この人頭いい!」と思っちゃって。(笑) 

そこで「絶対コンサルタントになりたい」と思いましたね。

入社して気づいたコンサルタントの”リアル”

上司からは、「頑張れ、以上。」

いざコンサルタントになってみると、いろいろと思うことがありました。

そもそも僕は、

「コンサルティングファームにはロジック分析の手法があるから、それを身につけて成長するんだ!」

と思っていたんですね。

ですがそんなものはありませんでした。「頑張れ、以上。」という感じです。

もっと「こういうやり方があるよ」とか「こうすればうまい分析ができるよ」とかが共有されているのかなと思ったんですけど、

全然そんなことはなくて。

「それは各自で頑張って考えて。」という形で結構放任的な感じでした。

なので研修もコンサル特有のものはないと思います。

MECE(ミーシー)とは何かとか、プレゼンの仕方とかだけで、他の業界の皆さんが受ける研修とあまり変わらないと思います。

”社会貢献”や”課題解決”は、必ずできるとは限らない

社会貢献や課題解決、様々な業種の人と関わりたいといった社員の要望は、

基本的に上から与えられたプロジェクトの形でしか実現できません。

「こういう課題を解決したい」と言ってもそれに応じたプロジェクトに入れてもらえるわけではないということです。

比較的規模の小さいファームだと、各人のニーズに合わせて調整してくれるところもありますが、

人数が増えるにつれて1人1人に構っていられなくなるので難しいと思います。

もし、やりたいことや行きたい部門があれば、研修の時点で上司と仲良くなってアピールするしかないと思いますよ。

そこで、「じゃあ人事に言っといてあげるよ」というのが起こらない限りは無理だと思います。

コンサル志望が留意すべきこと

最後に、戦略コンサルタントとして様々な経験を積んだKさんに、

コンサルティング業界を志望する就活生が留意すべきことを伺った。

1.コンサルに来ても、かっこいい仕事が待っているわけじゃない!

大前提として、「コンサルタントは地味な仕事ばかり」ということを念頭に置いて来てください。

会議の議事録を作ったり、資料作成をしたり。

頑張って作ってもこれじゃ見づらいだろ!と怒られて、改善して…の繰り返しです。

「こういう戦略を取ればもっとお客さんを取れますよ!」

ってクライアントに提案するみたいなイメージがあるかもしれないですけど、そんなことは全然ないです。

なので、そういった泥臭い仕事ばかりだよということを知っておいてください。

2.考えることが好きじゃないなら来るな!

極論を言うと、365日ずっと考え続けることが求められます。

コンサルティングファームって本当に頭がいい人がたくさん集まってくるんですね。

そういった人たちと肩を並べて働いて…しかも長時間労働で…となると、

頭を使って仕事をするのが苦手な人は来ないほうがいいと思います。

実際、ぼーっとしていると上司にも「それちゃんと考えてんの?」とか「何?その定義」とかすごく突っ込まれるんですよね。

なので、あれ何だっけ、この定義正しいんだっけ、これを上手くやるにはどうすれば良いんだろうみたいなことを、

常に考え続けることが必要になってくるかなと思います。

コラム:戦略コンサルタントは、キャリア戦略上良くない!?

僕個人の意見ですが、頭のいい人が戦略コンサルタントを目指すのはキャリアアップ上良くないと思います。

先ほども言ったように、コンサルタントは頭のいい人が多いです。

その中で、頭の良さを活かして結果を残すのって難しいんですね。

なので、頭のいい人が集まる業界で埋もれるよりも、もっと頭の良さが評価されやすい業界へ行くことをオススメします。

そのほうが、結果的にお金も多く貰えて楽できる可能性があるんじゃないかなと思いますね。(笑)

キャリア戦略どうこうよりも、

「頭を使ってずっと仕事をし続けたい」という人でなければコンサルティング業界には来ないほうがいいと思います。

Kさんの就活の答え合わせ