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今回は、国公立大学の外国語学部を出た後、グローバル展開の機器メーカーで営業サポートとして働くYさんにお話を伺った。
もともと海外志向だったYさん。グローバルな環境を求めて入社したその後の困難や、就職活動時の軸について語って頂いた。
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営業サポートの仕事内容
私はグローバルに展開するメーカーで働いています。
会社が扱う製品は、化粧品ブランド、理美容サロン向けの機器、歯科医療機器などです。
その中でも私は歯科医療機器の営業サポートをしています。
日々、海外の現地法人・代理店から製品の不具合やその対処方法について問い合わせをいただきます。
その場で答えられないものは工場に確認したり、追加の資料を用意したりしますね。
日本の工場と海外の現地法人や代理店を繋ぐような立ち位置です。
他には、海外代理店に製品の説明や変更箇所の通知をするために、日本語から英語に翻訳した資料を作成します。
幅広い業務
具体的な仕事の内容は人や時期、プロジェクトによって異なります。
仕事は基本プロジェクト制で、1か月から1か月半のものが多いです。
さらに仕事の幅も広いので、営業サポートとはいえ雑用やプロモーションもやります。
プロモーションとは販売促進のことで、自社の製品を「買いたい」と思ってもらうために活動しています。
最近は、ウェブサイトを通じた海外の現地法人や代理店のサポートも始まったので、それに関連した仕事もありますね。
例えば、ウェブサイトに載せる製品の写真を撮るために、外部の業者と一緒にカタログの撮影をすることもあります。
製品の説明をするなら動画のほうが分かりやすいのではないか、ということで最近は動画編集について勉強しています。
就活時代の軸
1つ目は海外、特にブラジルで働けること。
2つ目は規模の大きな会社であることを軸にしていました。
軸は正直あまりなく、もっと就活しておけばよかったと思っています(笑)。
1つ目に関して、私は帰国子女で、海外に駐在している親をずっと見てきました。
現地で親交のある方と家族ぐるみで楽しそうにしているところを見て、海外駐在に憧れや魅力を感じるようになりました。
それから親を越えたいという気持ちもありましたね。
海外に1年以上駐在したらひとまず一人前じゃないかなと思っていました。
2つ目については、規模の小さな会社よりも規模の大きな会社で裁量権を与えられたほうが、より大きな仕事ができると思っていたからです。
規模の大きな会社であっても、自分で仕事の裁量は広げられると思っています。
当時見ていた業界は、商社や証券会社です。
選考が早かった今の会社から内定をもらい、他の会社は選考に落ちてしまったのでそのまま入社したという形です。
グローバルメーカーでの誤算
入社後のギャップは、自分が入社した翌年に、行きたかったブラジルから事業が撤退したことです。
理由はブラジルへの輸入品に対する関税が高くなり、価格競争で優位に立つことが困難になったからです。
日本からブラジルに輸出するものには製品の料金に加えて関税がかかります。
しかし現地の製品には関税がかからないのでその分安くなりますよね。
そのため、日本からの輸出品はブラジルの現地製品よりも値段が高くなってしまい、価格競争に勝てなくなってしまいます。
他にも、色々な理由で海外の現地法人や代理店との繋がりがなくなることもあります。
ただ、やりたいことに固執していた訳ではなく、何でもやろうという気概でいたのでそこまで大きな打撃ではなかったです。
グローバルメーカーの魅力と困難
グローバルで市場が大きいことの魅力
歯科医療機器という言葉に聞き馴染みがない方もいると思います。
私自身もニッチなジャンルかと思っていました。
しかし世界全体での市場は大きく、色んな企業が存在しており、スケールの大きさを感じます。
海外代理店や現地法人のもとへ出張したときには、直接「日本の機械いいね」という声を聞くこともあります。
それをグローバルな規模で直接感じられるのは、大きな魅力です。
グローバルメーカーならではの苦労
1つ目は価格競争です。
関税が高いと輸入品の値段もグンと高くなるので、価格面では現地の企業が強くなります。
他にも、中国製の安価な製品が増えることも脅威ですね。
2つ目は国の規制と顧客の特性に応じて製品を変えなければならないことです。
まず海外の法規制でいうと、国によって製品の安全基準が異なる場合があります。
各国が定義する安全基準を、それぞれ満たさなくてはならないため、大変ですね。
理美容では国によって水に関する規制が異なります。
ドイツは水質の規制が厳しいので水質向上のためのフィルターを新たにつけるという対応をしました。
次に顧客の特性でいうと、医療機器はその国のドクターの使い勝手に合わせる必要があります。
例えば、日本では右利きの人が多いですが、海外では日本よりも左利きの人が多い場合もあります。
さらに、その国でメジャーな施術の方法なども変わってくるので、ドクターに対する教育まで把握する必要がありますね。
文系からの機器メーカー
機器についての専門性がなくて困難に感じたことはそこまでありません。
専門的な知識は工場の社員の方が持っているので、何か分からないことがあれば彼らに教えてもらう必要があります。
そのため、専門的な知識というよりも、工場の社員の方と、良好な人間関係を構築することが重要になると思います。
あとはよっぽど知的好奇心がない人は厳しいと思いますが、そうでなければ心配する必要はないと思います。