はじめに

大学3、4年生の特に理系学生の方、自分に問いかけてみてください。

「学部卒で就職しますか?専攻分野への知識を深めるために大学院に進学しますか?」

その時にこんな考えが思い浮かばなかったでしょうか?

研究したくないから、とりあえず就職でいいかな」

「まだ学生でいたいから、とりあえず大学院に進学しようかな」

目的がないまま次のステップに進んだ場合、果たしてそれは納得した選択と言えるでしょうか。

ぜひ最後までご覧いただき、将来に対しての解像度を上げてもらえればと思います。

こんな人は注意!就職?院進?

大学3、4年生になると頭をよぎる「就活」「院進」というワード。

読者の方には「学生生活を伸ばしたいし」「研究が面倒臭いから」という理由で進路を決めている方もいるかもしれません。

しかし、大学院で自分の興味のない研究をやり、研究が嫌いになる学生もいます。

大学院生は多くの時間を研究に割きます。

だからこそ、学生生活の延長という軽い気持ちで院進学に踏み切ると、あなたにとって有意義な時間にならない可能性も。

逆に「研究が嫌だから就職」という気持ちで決めた場合はどうでしょうか。

学部時代の研究が夢中になれるものだったら、学部卒で就職したことに後悔が残るかもしれません。

学部卒就職のメリット・デメリット

学部卒として就職するメリット

学部を卒業して就職することのメリットは2つあります。

大学院卒に比べて社会に出る時間が2年早い

院卒の人よりも早く社会に出て、ビジネスの世界に接点を持てることが大きなメリットです。

2年間分の学費がかからない

国立大学の大学院の場合は

2年間で約135万円

私立大学の大学院の場合は約200万円ほどかかります。

学部卒で就職することで親への金銭的な負担は減ります。

また学費を自分で払う方は、経済的な余裕ができたり、親孝行ができたりすることも魅力の一つです。

学部卒として就職するデメリット

専門性を必要とする職種への就職に不利になる

技術職・研究職として働く場合、修士以上の専門性が求められることも多いです。 

そのような職に就きたい場合、学部卒だと就職活動や現場で働く場合に苦労する可能性があります。

本格的な研究に触れられない可能性がある

研究内容によっては、修士の研究をする準備段階として、4年生の卒業研究を位置付けることもありえます。

以前、インタビューした理系の大学院に進学したSさんも以下のように仰っていました。

大学院に行かずに4年で少し研究して就職するのであれば、理系の学生である意味があるのかなと思いまして

自分なりの研究の楽しさを見つける前に、就職するという状況になってしまいかねません。

大学院卒就職のメリット・デメリット

大学院を卒業するメリット

大学院を卒業するメリットは3つあります。

研究に没頭できる

大学院生の多くの時間はやはり研究に充てることになります。

そのため、テーマを自分で設定し、試行錯誤しながら研究を進める時間が増えることが1番のメリットです。

進路を考える時間が増える

大学を卒業してから大学院を卒業するまでに2年間の猶予が生まれます。

そのため、自分の将来に対して真剣に考える時間も増えるでしょう。

その期間に、将来は専門分野で活躍したいのか、研究とは違った職について仕事したいのかを深く考えられます。

専門性を要する職業への就職に有利になる

就職に関して言えば、これが1番のメリットではないでしょうか。

例えば、Sさんは以下のことを仰っていました。

実際に、私が今働いている工場には20人くらいいますが、全員大学院を修了しています。

このように、大学院に進学することを前提としている職業もあります。

将来どんな職に就きたいのか、ここまで考えられると院進するかどうかの指標になるかもしれません。

大学院を卒業するデメリット

研究がつまらなかった場合、苦労する2年間になる

自分の好きではない研究をやらされて、結果として研究が嫌いになってしまうケースもあります。

もしそうなれば、大学院2年間の研究生活は苦しいものになってしまいます。

2年間分の学費がかかる

前述と同様に、大学院に進学した場合は学費が2年分かかります。

社会人になることが2年分遅れる

学部卒・大学院卒のメリットとデメリットは表裏一体の関係にあります。

身につけたいスキルに沿った、最適な選択をベースに考えてみると納得した選択になります。

進路選択で気をつけるべきこと

まず大切なのは、「自分が納得できる選択をする」ということです。

大学院での研究や、学部卒で就職する決断をしても、目的がないとその2年間で得られるものが少ないかもしれません。

「大学院ではこんな研究がしたい」

「論理的思考力を研究を通して身につけたい」

「◯◯企業の技術職として働きたい」

「早く就職して、ビジネススキルを身につけたい」

「両親を経済的に楽にさせたい」

このようなプラスな感情を持って決断すれば、研究や仕事の苦労する場面でも、逃げずに頑張れると思います。

進路選択のヒント3選

そこで進路選択に役立つものとして3つあります。

長期インターンに挑戦してみる

長期インターンは3ヶ月以上の間、実際の企業の方と一緒に働くことができます。

研究と仕事を天秤にかけた時に、就職するのか、大学院で研究するのかを判断する一つの材料になります。

「長期インターンって何?」と思った方は、是非以下の記事をチェックしてみてください。

3年生の時に就活に触れる

就活に触れることで、社会人の方とお話する機会を得たり、同じ悩みを抱える学生と出会えるかもしれません。

実際に私自身、就職するか大学院に進学するかを迷っていました。

しかし就職活動をする中で、「研究は今しかできない」という人事の方の言葉に後押しされて大学院進学を決断しました。

自己分析をする

自己分析で自身のやりたいことを明確にすることも効果的です。

どんな仕事に興味があり、自分は大学院を卒業するべきかを考えると、大学3,4年生で取るべき行動がはっきりするでしょう。

CareerAnchorでは、質問に答えていくだけで就活の軸ができる「自己分析シート」を配布しています。

是非活用してみてください。

「自己分析のやり方がわからない!」という方は是非以下の記事もチェックしてみてください。

自己分析がわからない方必見!「目的」から「やり方」まで完全解説!
【無料のシートあり】自己分析のフレームワーク6選をまとめて紹介
【77選の質問付き】質問リストを使った自己分析のやり方

以前インタビューしたSさんの記事は以下からご覧になれます。

理系学生必見!技術職の酸いも甘いも大解明!就職or院進の決断!