「新卒からマーケティング職に就きたい!しかし、難しいと聞いたことがあり、諦めようかと思っています…」
と考えている方はいませんか?
先に結論から言いますと、確かに新卒からマーケティング職に就くことは難しいです。
しかし、不可能ではありません。
今回の記事では新卒でマーケティング職に就く方法とエントリーすべき企業を紹介します。
最後まで読むことで、新卒でマーケティング職に就く方法が分かるでしょう!
目次
新卒でマーケティング職に就くことが難しい理由
先ほど説明したように新卒でマーケティング職に就くことは難易度が高くなっています。
本章では、この理由を2つ紹介します。
①新卒時に配属される職種の内、マーケティング職には2.1%しか就けないから
②企業の応募枠に対して新卒の応募人数が多いから
順に解説します。
①新卒の2.1%しかマーケに就けない
上記は、転職サイト『女の転職type』にて、2022年に725名の女性に新卒時に配属された職種を聞いた結果です。
✓サービス・販売系
✓事務・経理・人事系
が50%以上を占める反面、企画・マーケティング職はたったの2.1%。
つまり、100人の新卒がいた場合、たったの2人しかマーケティング職に就くことができないのです。
マーケティング職の仕事の本質は「顧客に自社の価値を適切に届け、売上につなげていく事」です。
お菓子や日常雑貨などのC向け(顧客向け)商品を展開する会社のマーケティング職であれば、責任者は会社の売上に責任を持ちます。
具体的に製品開発やブランディングの仕事や、テレビCMやWebでの広告を打つ仕事などが挙げられます。
B向けの製品(ソフトウェアなど)であれば、顧客リストを作れるかが重要です。
具体的にWebやタクシー広告、展示会などで顧客(会社)に製品を知ってもらうなど、顧客との接点を作ることが仕事です。
顧客を獲得した後は営業が面談し、契約を獲得していきます。
つまり、マーケティングは「販売促進」として最もお金を「使う」部署です。
更に企業の売上の源泉となる「顧客獲得」を担う部署で、その会社にとっても重要なポジションとなります。
このように、マーケティング職は企業の命運を握る大切な職種なのです。
よって、マーケティング職は実力のある中途の方を採用することが多くなっています。
②枠に対して応募が多いから
マーケティング職は枠が少ないことに加えて、応募が多いことが特徴です。
応募が多い理由としては、マーケティング職が就活生に人気だからでしょう。
①独立しやすい
②AIに代替えされづらい
③今後どの業界にも必要
④Webマーケティング市場が伸びている
ということから、マーケティング職は今後も需要があり、将来性がある職種として考えられています。
加えて、マーケティング職は、社会的希少性も新卒に人気がある1つの要因でしょう。
また、コンサルタント職と同様に、マーケティング職は社会的に良い職種として認知されています。
しかし職に就ける人が非常に少ないため、希少性が高くなっています。
よって、新卒・中途採用に関わらず、マーケティング職は非常に人気があるのです。
マーケティング職の業務内容
マーケティング職と一言で表しても、マーケティング職の中にも様々な職種・業務内容があります。
①プロダクトマネージャー
②Webマーケター
③データアナリスト
④広報(PR)
本章ではマーケティング職を4つに分類し、それぞれの職種の具体的な業務を紹介します。
①プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーとは、企業のマーケティングに対して全体的な責任と最終決定権を持っている職種です。
たとえば、
・プロダクトのターゲットの設定
・プロダクトの販売経路の設定
などの責任や最終決定権を持っています。
よって、プロダクトマネージャーは、マーケティング職のトップ・オブ・トップですね。
またプロダクトマネージャーはマーケティングだけではなく、プロダクト(製品)自体の最高責任者でもあります。
そのため、
・マーケティング
・プロダクト
の2つについて詳しい必要があることから、幅広い知識が必要なのです。
具体的な業務内容としては、
・市場分析、ターゲット設定、コンセプト設計
・戦略策定
・製品の企画、開発、リリース
・製品管理、マーケティング、販売
・効果測定、改善施策、ライフサイクル管理
があります。
人気レシピアプリのプロダクトマネージャー(PdM)であるTさんは業務内容をこのように語っていました。
まず、お客様の声やユーザーの利用状況などのデータを分析して、ユーザーのユーザーの課題を捉えます。
例えばレシピアプリの場合、「レシピに悩む時間を減らしたい」という声などがユーザー課題です。
その課題を解決するために、既存プロダクトの機能改善のロードマップ(中期計画)、または新しいプロダクトの企画を作ります。
ユーザーがレシピに悩む時間を減らすには、「レシピをより早く見つけられるレシピ検索機能を作る」などが解決策として挙げられます。
そして、細かい機能やマーケティング企画などの戦術を立てて実行する。
この際に、数人〜数十人のチームメンバーに役割を振り分けます。
エンジニア、データサイエンティスト、デザイナーなどさまざまな職種の方を含めたチームで、リリースまでデザインや開発を進めます。
企画のリリース後は、プロジェクトの効果を調査し、また新しい企画を作る。
このサイクルを繰り返して、より良いユーザー体験の継続的な提供を目指しています。
このようにプロダクトマネージャーは、ユーザー課題を見つること。
そこからプロダクトの改善に向けた戦略設計から実行まで行います。
もっとプロダクトマネージャーについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください!
②Webマーケター
Webマーケターとは、ホームページや広告・SNS・メルマガなど、たくさんのデジタルツールを使って集客する職種です。
Web上で仕組みを作り、より多くの顧客に製品・サービスを買ってもらえるよう、戦略を考え実行します。
SaaS企業で法人向け人事システムのマーケティングを経験しているHさんは業務内容をこのように語っていました。
日々の業務内容は、広告運用や外部媒体(BOXIL SaaSやITトレンド等の比較サイト)の活用、メルマガの配信などです。
事業企画ではエクセルやMAシステムなどを用いての数値分析に力を入れていたのですが、現在はその経験をマーケティングで活かしています。
1つ1つの施策単位で費用対効果を分析し、良い施策かどうかを定量的に確認しています。
このようにWebマーケターは、顧客との接点を生み出すために、データを分析し施策を打っていきます。
上記は、2020年に電通グループがインターネット広告媒体費総額の推移を示したグラフです。
本グラフより、年々インターネット広告市場が伸びていることが分かります。
電通グループの調査によると、2021年のインターネット広告費は2兆7,052億円。
つまり、2019年と比べて1兆円以上伸びていることが分かります。
また、この伸びは今後も続くと予測されているため、Webマーケターの需要も高まっていくでしょう。
Webマーケターの具体的な業務内容としては、
・SNS運用
・ネット広告
・メディアの運営
・メルマガの配信
・ランディングページの最適化
があります。
もっとWebマーケターについて知りたい方はこちらの記事をチェックしてください!
③データアナリスト
データアナリストとは、文字通りデータを分析する職種です。
集まっているビックデータを整理・分析し、得られた結果から企業の業績をより良くする施策を提案します。
データアナリストには大きく2つの種類があります。
①コンサル型データアナリスト
②エンジニア型データアナリスト
コンサル型データアナリストは、データを分析し課題を捉え、解決に向けた戦略を提案します。
反対に、エンジニア型データアナリストは、課題解決のためにシステムの構築や改善を行います。
つまり、両者は顧客に提供する成果物の最終形態が異なるのです。
④広報(PR)
広報とは、社内と社外に、自社のPR活動を行う職種です。
社外への広報の具体例としては、
・プレスリリースの配信
・記者会見のセッティング
・オウンドメディア運営
などがあります。
社内広報は、社内の情報を社員に共有することで、社員のモチベーションアップや組織としての強化を測ることが目的です。
・社内SNSの運用
・社内報の作成
などを行います。
マーケティング職のザックリとした相関図は以下です。
①データアナリストがデータを分析
②その結果を元にプロダクトマネージャーが戦略を設計
③完成した戦略をWebマーケターや広報(PR)が実行
さらに詳しいマーケティング職の業務内容について知りたい方がいましたら、下記の記事を参考にしてください。
新卒でマーケティング職へ就く方法3選
新卒でマーケティング職に就く方法とおすすめの企業を紹介していきます。
①職種別で採用している企業に応募
この方法が最も確実に新卒でマーケティング職に就くことができます。
そのため、絶対にマーケティング職に就きたい方におすすめの方法です。
しかし、ほかの方法に比べて難易度が高いというデメリットがあります。
①募集をしている企業が少ない
②さらに募集枠も少ない
つまり、職種別採用でマーケティング職に就くことはかなり難易度が高くなっています。
しかし、この方法を取ることで100%マーケティング職に就くことができるため、最もおすすめの方法です。
【マーケティング職を職種別で採用している企業】
①P&G
②ユニリーバ・ジャパン
③日本ロレアル
④ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーグループ
⑤資生堂
⑥ソニー
⑦花王
⑧ライオン
⑨ネスレ日本
⑩楽天
⑪LINE
⑫読売新聞
⑬マネーフォワード
⑭レバレジーズ
②事業開発に積極的な会社に就職
事業開発に積極的な会社は、マーケティング職に就きやすい傾向にあります。
しかし、注意すべき点があります。
それは自社内でマーケティング業務を行っていない事業会社が存在することです。
珍しいとは思いますが、マーケティングをすべて外部委託している企業では、マーケティング職に就くことができません。
また、方法①とは異なり、確実にマーケティング職に就ける訳ではありません。
たとえば、マーケティング職志望で入社したにも関わらず、1年目は必ず営業をしないといけない。
このようなこともしばしば耳にします。
よって、事業会社に就職することは、100%マーケティング職に就ける訳ではないことを覚えておきましょう。
とはいえ、ほかの企業よりもマーケティング職に就ける確率が高いことは事実です。
【事業開発に積極的な企業】
①P&G
②グーグル
③トヨタ自動車
④サントリー
⑤ソフトバンク
⑥楽天
⑦ヤフー
⑧ソニー
⑨資生堂
⑩キリン
⑪日清食品
⑫リクルート
⑬サイバーエージェント
⑭DeNA
⑮グリー
③マーケティング支援会社に就職
マーケティング支援会社とは、他社のマーケティングの課題を解決する会社です。
商品が”マーケティング”であるため、その分社内に多くのマーケティング職を担当している社員がいます。
よって、新卒からマーケティング職に就ける可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、方法②と同様に100%マーケティング職に就ける訳ではありません。
なぜなら、マーケティング支援会社でも、
・営業職
・事務職
・人事職
などが必要だからです。
【Webマーケティングコンサル会社】
①電通
②博報堂
③ADK
④サイバーエージェント
⑤セプテーニ
⑥デジタルホールディングス
⑦ワンスター
⑧テクロ
⑨シンフォニーマーケティング
⑩才流
⑪イノーバ
⑫AViC
⑬マクロミル
⑭デジタルガレージ
⑮ブレインパッド
⑯電通デジタル
⑰ガレージ
⑱ビザスク
⑲ミスターマーケティング
新卒でマーケティング職に就きたい人がすべきこと
「新卒でマーケティング職に就くことが難しいことは分かった。しかし、どのような対策をしたら良いのだろう?」
と思っている方に向けて、本章では新卒でマーケティング職に就きたい人がすべきこと3選を紹介していきます。
①マーケティングを経験する
過去にマーケティングを経験していた学生は、マーケティング職の選考で有利です。
なぜなら、マーケティングの経験を、
・ガクチカ
・自己PR
などで過去のエピソードとしてアピールすることで、面接官に社内で活躍するイメージを持ってもらえるからです。
しかし、
・マーケティングの技術を身に着ける
・就活時に過去のエピソードとして使用する
ためには、ある程度の時間が掛かるというデメリットがあります。
ES・面接などで、マーケティング経験をアピールするためには、最低3ヵ月は掛かると見ておきましょう。
学生時代にマーケティングを経験する方法は大きく2つあります。
①長期インターンでマーケティング職を担当する
②個人でWebマーケティングを行う
長期インターンとは、有給で3ヵ月以上ビジネスの現場で就業することです。
長期インターンには様々な職種がありますが、新卒でマーケティング職に就きたい方は必ずマーケティングを希望しましょう。
長期インターンでマーケティングを経験したい方は、
・ゼロワンインターン
・インフラインターン
・キャリアバイト
などの長期インターン専門のサイトより、案件を探すことをおすすめします。
・SNS
・ブログ
などを個人で運用することで、Webマーケティングを経験することができます。
なぜなら、個人で行う場合は独学でマーケティングを勉強しなくてはなりません。
しかし長期インターンでは経験者よりマーケティングを教えてもらえます。
ガクチカ・自己PRでマーケティング経験をアピールしたい場合、ある程度の成果を残しておく必要があります。
長期インターンでは独学ではなく、経験者から教えてもらえるため、比較的楽にかつ早く成果を残すことができるのです。
②Webテストの数学で良い成績を取る
マーケティング職では、”数字に強い”というスキルが欠かせません。
なぜなら、業務内でデータを分析する必要があるからです。
Webメディアで広告運用をされているFさんは業務内容をこのように語っていました。
私は毎朝、数値を確認してから業務を進めていました。実際に確認していた数値の1つが「記事のクリック数」です。
クリック数が目標より下回っていれば、広告に用いている画像や文章を見直します。なぜなら広告文や画像が、クリック数を決める上で重要な要素だからです。
このように常に数字を起点に何をするべきかを考え、行動するのが広告運用の仕事です。
このようにWebマーケターは、数字を元に分析をしながら施策を打っていきます。
企業の人事は、就活生が数字に強いかどうかで、その学生がマーケティング職に適性があるかを判断することもあります。
そこで、対策できることはWebテストの数学で良い成績を取ることです。
①行きたい企業でどのタイプのWebテストを実施しているか調べる
②そのWebテストを対策できる教材を買い、繰り返し解く
以上の対策で、Webテストを対策することができます。
Webテストの対策は比較的短時間で行うことができます。
そのため、新卒でマーケティング職に就きたい方は、必ずWebテストの数学を対策しておきましょう。
③ケース面接の対策をする
SaaS企業で法人向け人事システムのマーケティングを経験しているHさんは業務内容をこのように語っていました。
基本的な動き方は顧客の情報を収集して仮説を立て、施策を打ってはそれを振り返るという形になります。
その振り返りを通して、顧客選定の精度と顧客課題の理解を高め、施策の質を改善していくんです。
マーケティング職の業務では、集めたデータから施策を考え、仮説と検証を繰り返す必要があります。
ここで客観的に論理的に考えられる人ほど、マーケティング職として活躍することができるのです。
論理的思考力の高さを確かめるため、企業によってはマーケティング職志望の学生にケース面接¹を行う企業があります。
¹ケース面接とは面接官から課題を渡され、その解決方法を制限時間内に示す面接形式
https://note.com/umbobo/n/n4397b770595f
ケース面接は、
①専用の書籍を読む
②実際に出た問題を解く
③模擬面接をする
の3つの方法で対策することができます。
ケース面接が対策できる書籍として一押しの書籍は”過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題”です。
気になる方はぜひAmazonや楽天で検索し、購入してみてください。
就活エージェントを利用することで、模擬面接を行うことができます。
・Goodfind
・JobSpring
・キャリセン就活エージェント
では、個別にケース面接対策をしてくれるため、おすすめです。
もしケース面接が選考内になかったとしても、ケース面接対策により、論理的思考力を身に着けることができます。
そのため、論理的思考力をつけるためにも、マーケティング職志望の方はケース面接対策をしてみることをおすすめします。
戦略的に新卒でマーケティング職に就いた方へインタビューをしてみた
本章では、工夫をしながら新卒でマーケティング職を目指していたに就いたNさんが、実際に
・就活前
・就活時
にしていたことをインタビューしました。
NさんはSaaS企業で法人向け人事システムのマーケティング業務を担当しています。
マーケティングへを実際に経験してみる
就活前に新卒でマーケティング職に就くため工夫したことはありましたか?
私は就活までにメディア運営を通して、少しだけマーケティングに触れていました。
例えば、SNS運用とかでしたら、1人でも手軽に始められるのでおすすめです。
顧客を獲得する難しさを理解できると思います。
また、マーケティングについてのイメージも湧いてくるかなと思っています。
マーケティングへの理解を深めておく
就活時にマーケティング職に就くために工夫したことはありますか?
2つあります。
1つ目は「マーケティングとは何か?」を語れるレベルまで調べていました。
「マーケティング=キラキラ」というイメージは、マーケティング職志望の方なら皆さん持っていると思います。
しかし、具体的にマーケターが何をしているか知らない人も多いのではないかと。
私は当時マーケティングの具体的な業務をインプットし、それを人に伝えていました。
2つ目は”マーケティングに適性がある理由”と”マーケティングを行いたい理由”の言語化です。
これらは面接の中で必ず聞かれるので、しっかりと考えて、人に分かりやすく伝えられるようにしておくことをおすすめします。
どんなマーケティング業務をやりたいかを決めて業界・企業を見る
これからマーケティング職に就きたい就活生にアドバイスをいただけませんか?
2つあります。
1つ目は絶対に新卒からマーケティング職をしたい方はマーケティング職採用の企業を受けるべきということです。
私は総合職採用で入社したため、確約でマーケティング職に就ける訳ではありませんでした。
実際に、私はマーケティング志望でしたが、入社後は営業に近いインサイドセールスという職種からスタートしました。
2つ目は志望業界・企業でどのようなマーケティング業務があるか見ておくことです。
マーケティングは幅広く、様々な業務があります。
そこで、入社したはいいものの、「やりたかったマーケティング業務がない」ということも考えられます。
①自分がやりたいマーケティング業務を決める
②その業務が志望業界・企業でできるか確かめる
ズレを失くすためにも、就活時に上記2つをしておくことをおすすめします。
よりマーケティング職を知りたい方へ
ここまでご覧になった方は、ある程度新卒でマーケティング職に就く方法への理解が深まったかと思います。
しかし、
「きちんとマーケティング職に就けるか不安」
「自分1人では新卒でマーケティング職につけそうにない」
と感じている方も多いのではないでしょうか?
このように思った方は、マーケティング職として働いている社会人や、内定した先輩に相談しましょう!
Career Anchorでは、社会人50人の就活情報を知れる「就活レポート」を提供しています。
ぜひご活用ください!