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今回は新卒でメガバンクに入社し法人営業として働くSさん。
時代の移り変わりとともに変化している銀行の法人営業担当として、様々なことをお話ししていただきました。
銀行に興味がある方、金融業界に興味がある方、そもそもこの業界を知らない方には必見の内容になっていますので最後まで読んでいただけると幸いです。
昔とは違う銀行の働き方
仕事内容
法人営業でやっていること。
僕は法人営業部で働いていて、メイン業務は担当企業様の貸金の対応やグループ会社内への提案をしています。
あとは飲食店がコロナで業績悪化したので貸倒金や貸倒引当金の話、貸金の減額などを取引先と話しています。
扱っている規模感
扱っている企業様は、東京都内に10店舗ほどを構えている飲食店や、店舗数が少ない日本の料亭ですね。
規模自体はそこまで大きくない店舗を担当していることもあります。
銀行での法人営業の魅力
銀行特有の法人営業部の特徴は、様々な部署の人と会えることとそれによって企業を深く知れることだと思います。
営業をする際に、取引先の経営者や経理、人事など様々な部署の人と会って業務効率化のことなどを話します。
よくあるのが経営者と経理の方の感覚の違いです。経営者は課題と思っていたけれど、経理の人はそれを課題と思っていないことがよくありますし。
例えば、経営者が経費システム効率化のために新規システムを導入しようとしても、経理は慣れているシステムを使いたいから断るなどです。
また、様々な部署の人たちと話せるので企業を深く知るきっかけにもなりますね。
売っているものは「お金」だけではない。
担保になるものの多様化
担保になるものとして面白いのが、SDGsでの取り組みを企業が行っており、それを担保に貸金投入できる制度があったりすることです。
今の銀行には、様々な知識をインプットすることや、それをもとにお客様に最適な提案をすることが前よりも求められてますね。
ソリューション提案
飲食店特有の点でいくと、コロナの感染拡大によるキャッシュレス化が進んでいるので、カードやクレジット端末などのソリューション提案もしています。
金銭の受け取りで濃厚接触に近い状態になるため、お客様も従業員も抵抗感があるとニュースでも紹介されていました。
経営者の方への提案の際に、キャッシュレス化の知識のような様々な分野の知識を習慣的にインプットしないと付け焼刃なのがばれてしまいます。
付け焼刃でなく、的確にインプットをしたうえで提案をしないとトップにいる経営者の方には刺さらないですね。
人材の流動性
IT専門職に短期で転職する人もいる。
金融業界は募集人数が多いので、深く考えずに入社して違和感を感じた人は2.3年で退職してIT系の企業で専門性を高めていく人もいますね。
同社グループ内での人事異動が僕の部署だけで一年で一人程ですね。なので全国単位で見たら相当数いると思います。
スケジュール
一日のスケジュール
8時前に出社して8時40分まではメールの確認や業務内容の確認をします。
その後、8時40分からは会議があり、9時からは各自の業務が開始されます。
9時からは稟議書作成やお客様に言われていた資料作成、外回りなど活動は多岐にわたります。
会議の内容
会議の内容は、数字の進捗状況確認や期日モノの管理がメインになります。
また、新人が日経新聞を読んだうえで内容を発表する時間があります。
銀行にたどり着いた就職活動
学生時代の周りの環境
戦闘力が高い学生が周りにいた&就活のみにとどまらない就活軸
終身雇用がなくなりつつある時代で自分が磨けるものは何かを考えた時に、専門性を高めるのか、どの土俵でも戦える人になるかで迷いました。
ただ、学生時代の僕の周りには、マーケティングやウェブサイト構築、プログラミングをバリバリやっている学生が数多くいたんです。
彼らを見た時に、専門性では戦えないと感じたので自分が社会でどのように生き残るかを考えました。
その結果、急に社会に放り出されても戦っていけるような個人の戦闘力が欲しいと思うようになりました。
内定承諾に至るまでの決断
ホームページの言葉
就職活動は早期でベンチャーから内定を2.3個いただいていたので、大手企業のみを見ていました。
僕は企業の採用ホームページにある言葉はその企業を表す言葉だと思っていたので、面白いと感じた企業をピックアップしてESを書いていました。
現在務めている企業もその中で見つけた企業の1つです。
金融業界を目指す学生に向けて
金融業界を目指す人が気を付けるべき点
圧倒的なインプット量
銀行が行う提案が多角化してきたので、インプットする知識量がとても多くなり、それを苦に思うかどうかは気を付けるべき点ですね。
最初の1.2年は資格の勉強が忙しく、実務では外貨預金や外為系、不動産などの勉強も必要になります。
それらを提案するには取引先に引けを取らない知識量が必要になるので、インプットが苦になるかどうかは気を付けるべき点ですね。
銀行に合っている人の素質
インプットが苦にならない。
昔からお金を貸す点は変わっていませんが、現在はカードや不動産、証券の話もしており、提案の幅が広がっています。
気を付けるべき点でも述べた通り、インプットする知識が非常に多いです。それを苦に思わない人であれば銀行に務める素質はあるのかなと思います。
お客様に適した提案ができるか。
銀行が提供する幅が広がっただけで、実は昔と今でさほど変わってはいないと思っています。
理由は、お金を貸すことやソリューション提案でも、相手が必要なものを確実に提供する能力は必要だからです。
ぜひ自分が合うタイプなのか検討してみてください。