就活の答え合わせが済んだ社会人の視点から、後悔しない就活軸を見つけるインタビューサイト”Career Anchor

今回は、新卒でSaaSベンダーに入社しSEとして活躍する傍ら、就活生のキャリアアドバイザーとしても活動しているYさんにお話を伺った。

自身の就活軸の立て方や、IT業界を目指す学生が留意すべきことなどを語ってくれた。

業界・業種理解が深まる!先輩50人に聞いた就活レポート

Yさんの仕事内容

僕は新卒でSaaSベンダーに入社し、エンジニアの部署に所属しています。

仕事内容は大きく分けて2つあります。

1つは、システムエンジニアとしてデータ連携基盤を開発する業務です。

データ連携基盤とは、企業の人事管理のシステム、営業管理のシステム…といった複数のシステムを一括管理できるプラットフォームになります。

まあ、「ハブ空港」みたいなものです。(笑)

企業内部で独立したシステムを繋げるハブ空港。

そんな風にイメージしてもらえると、わかりやすいかもしれません。

そしてもう1つは、プリセールスです。

技術者としての営業活動ですね。

営業マンについていって、技術的な側面から営業のサポートをする。

そんな仕事を行っています。

”将来なりたい姿”から逆算した就活の軸

逆算でわかった「自分の大切な価値観」

僕の就活の軸は、

1.お客様と直接話せる仕事であること

2.3年以内にプロジェクトリーダーになれること

3.ITに関して何らかの技術的な強みを持つこと

4.成果主義的な評価制度をもつこと

5.業界に縛られないようなサービスを提供できること

の5つです。

僕が軸を決める際は、「将来なりたい姿を想像し、そこから逆算する」という方法を取りました。

そこで、”将来なりたい姿”をイメージしてみると、「好きなことを仕事にしたい」「会社に頼らず生きたい」の2つが大事な価値観であることに気づきました。

なので、この2つを中心に据えて就活の軸を考えることにしました。

今までの”好き”を仕事に。

まず、”好きなことを仕事にしたい”を軸にするため、自分の”好きなこと”を洗い出しました。

僕の場合は、人と話すことが好きだから、お客様と関わる機会が多い仕事をしたい。

今までリーダーをやってきた中で、仲間に感謝されることが何よりも嬉しかったから、仕事でもリーダーをやりたい。

新しいものに触れたり、作ったりすることが好きだから、新しいことをバンバンやれるIT業界にいきたい。

IT業界の中でも、ITに明確な強みをもつIT企業に行きたい。

僕はこのようにして、

1.お客様と直接話せる仕事であること  

2.3年以内にプロジェクトリーダーになれること

3.ITに関して何らかの技術的な強みを持つこと

という3つの軸を決定しました。

周りに流されず、自分がやりたいことを追いかける人生がいい。

 次に、僕が”将来なりたい姿”の一つである、「会社に頼らず生きたい」を就活の軸に落とし込みました。

僕が「会社に頼らず生きたい」と思ったきっかけは、とある本との出会いにあります。

それは、『嫌われる勇気(岸見一郎/古賀史健)』です。

大学生の頃、心が病んでいた時期に、この本に出会いました。

内容は伏せますが、僕はこの本を読んで、”周りの評価軸で生きるより、自分がやりたいことをずっと追いかけていく人生がいい”と思えるようになりました。

だから将来は、「会社の肩書に頼らず、自分の力で仕事ができるようになりたい」と考えたんです。

それと同時に、「自分でビジネスを考えたい」という気持ちも湧きました。

せっかくビジネスを考えるなら、特定の業界だけではなく、社会全体に通用するものがいい。

この、”自分の力で仕事をしたい””自分でビジネスを興したい”という2つの視点から、

4.個人が評価される、成果主義的な評価制度をもつこと

5.業界に縛られないようなサービスを提供できること

という2つの軸を立てました。

選んだ職種と、企業のふるい分け

こうして決めた5つの軸から、職種としては、営業やITコンサルを見ていました。

加えて企業が「どんな面白いことをしているか」も重視して企業を調べました。

昔のやり方に固執せず、若手が活躍していて、新しいことを積極的に取り入れている。

そういった、”ベンチャー的な文化”を持った企業が面白そうだなと感じました。

じゃあ、どうやってベンチャー的な文化かそうでないかを判断したのか。

僕は、役職者の年齢やフレックスタイム制などを導入しようとしているかに加え、”オフィスが綺麗かどうか”で判断しました。

正直、めちゃくちゃ重要だと思います。(笑)

社風はオフィスの雰囲気に表れています。

実際、職員室みたいなオフィスは”昔の風習に固執しているな”と感じるし、そういったオフィスで働きたくないなと思いました。

入社後に感じた大きなギャップ

最終的にSaaSベンダーに就職したわけですが、いざ入社してみると、ひとつだけ大きなギャップがありました。

それは、「思ってた業務内容と全然違う!」ということです。

大問題ですね。(笑)

僕はもともとビジネス職で採用されていて、営業やマーケティングといった職種に就くと聞いていました。

ところが、3か月の研修を終えて配属されたのはなんと、エンジニアの部署。

エンジニアはエンジニア職として採用があるはずなのに…。

ですが、結果的に良かったなと思っています。

なぜなら、ITでコンサルティングを行うためには細かいIT知識が必要だし、エンジニアたちの現場を知っておく必要があるなと以前から考えていたからです。

配属先は、本人の”やりたいこと”と”適性”から決められます。

なので、”当初思っていたのとは違う、思いがけない配属がある”ということを念頭に置くといいと思います。

IT業界を目指す学生が留意すべきこと

IT業界は、知識のインプット量が尋常じゃありません。

特にSEなら、サーバーや、ネットワークの仮想化空間の立て方を勉強して、自分で仮想のネットワークを作って、調整して…。

これを未経験の状態からやっていくとなると、やっぱり大変です。

下手をすると、お客様がサイバー攻撃を受けて情報が流出してしまう可能性もあります。

そういった大事故を防ぐためにも、とにかく細部まで知識を入れていく必要があります。

なので、ITサービスを提供する裏には、

”膨大な知識のインプットをしなければならない”

という泥臭い部分が存在するんだ、ということは知っておいてください。

コラム:合否をわけるポイントは、志望動機にあり。

僕はこれまで、CAとして多くの就活生と面談をしてきましたが、

正直、取り立てて特徴的なガクチカを持っている就活生は少ないです。

そのため、「志望動機の綿密さ」が合否を分けるポイントになってきます。

なんとなく、「アツいから」という理由でIT業界を志望する就活生が多いですが、もちろんそれでは受かりません。

SaaSであれば、

「なぜSaaSなのか」「SaaSだと何が社会にとっていいのか」

を明確に説明できるようにしてください。

それが説明できなければ、SaaSである必要はないよね、と思われてしまいます。

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