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今回インタビューしたのは、メガバンクを蹴って地方銀行への新卒入社を決意したSさん。

メガバンクを蹴って地方銀行を選んだ経緯と、地方銀行での仕事内容ついてお話を伺った。

業界・業種理解が深まる!先輩50人に聞いた就活レポート

地方銀行での仕事内容

私は地方銀行で法人営業をしています。

主な業務は新規顧客の獲得、モニタリングです。

財務分析などのスマートな仕事だけでなく、外回りや飛び込みなど泥臭い仕事が多いですね。

銀行の法人営業の仕事は経験、人脈、そして知識を身に着けられる仕事だと思います。

モニタリング(Monitoring)とは、銀行貸付において企業などの資金の借り手が与信契約を守るかを監視することをいう。

https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/1189?site_domain=default

地方銀行に就職して誇れること

誤解を恐れずに言うと、企業は基本的に何らかの問題を抱えています。

法人営業とはお客様と共にこういったクリティカルな問題に向き合い、解決するための融資を提案する仕事です。

しかし資金不足、慢性的な人材不足などに向き合うのはプレッシャーもストレスもかかります。

経営や財務上の正しい判断に加え、お客様に納得いただける融資でなければいけませんから。

しかし、これを乗り越えて顧客に認められたときは成果に関係なく嬉しい瞬間ですね。

社長さんに「君だから契約したんだ」「君にだけ話せるんだ」なんて言われるともうたまらないですね(笑)。

地方銀行では早く帰らないと怒られる!?

銀行はブラックなイメージをよく聞きますが、実際それは場所によりけりなんです。

銀行協会が定めている早帰り日もありますから、定時に帰らないとむしろ怒られますね。

私は8時まで残ることもあるのですが1カ月に1度あるかないかで、残って働く方が難しいです。

学生時代の過ごし方

学生時代はとにかく人と会って話すことを大切にしていました。

自分に影響を与えてくれるような人と話せるチャンスがあれば飛びついていましたね。

出会った人が、今ではビジネス上の関係にもなりましたし、後述しますが価値観を変えられたこともあります。

大学のキャンパス、これでもかって往復しました(笑)。

移動だけで4時間かかったり、帰れなくて泊まったこともあって。

ですが、それ以上に得られたものが大きかったと思っていますね。

とにかくアクティブな学生でした。

出会いから得られた行動指針

人との出会いで価値観が変えられたことがあります。

私は論文研究会というサークルに参加してまして、東京オリンピックの経済効果に関する論文を書いていたんです。

我ながら出来がいいと思ったもので、自信を持って研究会へ挑みました。

しかし、発表を終えた後他の学生に一言、ただの数字じゃんと切り捨てられてしまって。

衝撃でしたね(笑)。

私は経済を専攻していたこともあって数字第1と考えており、論題の中心にそれを据えていました。

ただ、経済効果を論じるなら数字のみではなくより生活に踏み込んだ事例も論じるべきだったんです。

私は論じていたのは数字だけで、本質がなかった。

そのとき、全く反論の言葉が出てこなかったんですね。

現在財務でデータだけでなく企業の実情など踏み込んで見るのも、この体験からいいように変えられたと言いますか。

対話で得られるものは、時に価値観を作り変えてしまうくらい大きいと身をもって知りました。

自分の意見を組み立てる経験

大学生には人と話す機会はもちろん、自分の意見を組み立てる場所も大事だと思っています。

結局、自分がどれだけ良いものを持っていたとしても伝わらなければ無意味です。

私は偶然、論文を書いて意見をぶつけ合うような環境がありましたが、万人にあるとは言えないでしょう。

身近なのはゼミだと思いますが、ビジネス塾などでも構いません。

とにかく、学生のうちに議論のできる環境に身を投じるべきです。

社会に出たらとにかくアウトプットの連続ですから。

どのような人生を歩むにしろ、意見を構築、議論できる環境を持っておくのが肝要でしょう。

メガバンクを蹴って地方銀行に就職したワケ

実のところ、最後の最後までメガバンクか地方銀行かで迷っていたんですね。

確かに、新卒でメガバンクは一般的に成功しているキャリアです。

しかし私は外回りや、飛び込みなどの営業をしたいと考えていました。

メガバンクでは私が欲しい経験と知識を早期に積めないことがはっきりしたんですね。

OB訪問で、メガバンクに入ると1~3年目は事務員かな、と思うほどに雑用をさせられると言われたんです。

外回りや飛び込みが2年目3年目にできるかというと、難しいと。

もしメガバンクに入っていたら、事務作業などの業務に追われていたと思います。

その上、私にとってファーストキャリアはゴールではありませんでした。

私が大事にしたのは、10年後を踏まえてその過程として適しているのかという点です。

キャリアを俯瞰したとき、その企業でどういった価値を生み出せるのか、自分が何を学べるのかが肝要でしたね。

このような理由からメガバンクを蹴り、地方銀行に就職しました。

キャリア形成において必要なものとは?

キャリア形成において「自分の軸」は必須です

ビジョンが明確に持てていないと、人生における到達点が曖昧になってしまうためです。

軸を見つけるにはとにかく人と出会う、見識を広げることが重要だと考えています。

父の背中から見つけたやりたいコト

私の人生における軸は「中小企業の手助け」をすることですね。

その源泉として、人を喜ばせたいという思いがありました。

私の父は中小企業の財務解析を行っており、実際に仕事の現場へ立ち入らせて貰ったことがあって。

見聞きしているうちに子供ながら何かできないかなと考えたんです。

大学生になって経済を学ぶにつれ、だんだんと自分のしたいことが見えてきたんですね。

やっぱり自分は中小企業の助けになれるような人材になりたいと思ったんです。

日本の企業は99%が中小企業ですので、そこを元気にすることで日本を活発にしたいと。

「自分の軸」は、親や人との関わり合いの中に隠れているのかもしれませんね。

学生へのメッセージ

確かに、就職活動は人生を左右する部分だとよく言われます。

私は自分のやりたいことを軸に挑むことができましたが、もしなかった場合、それでも頑張れたとは断言できません。

しかしながら、ここで頑張れなかったらこの先二度と頑張れないのではないか、そんな予感がありました。

明確なビジョンがなくても、その中で足掻いていた自分を焼き付けられれば、絶対に残るものがありますから。

キャリアを全然決めてない、分からない人はとにかく本を読んで人に会って話してみる。

最後まで諦めずに頑張ってほしいと思います。

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