「等身大のロールモデル」となる若手トップの社員にキャリア論を聞く、大学生向けインタビューサイト”Career Anchor“
在学中の起業経験から学んだことや専攻分野が就活にどう影響したのか。ロールモデルとなる先輩の本音をそのままお届けする。
私はビルやマンションを施工する際の工事現場の現場監督をしています。
具体的な業務は日々の発注先の会社との調整、品質と安全の確保、施工計画の作成などです。
建築物の構築は安全が最優先ですが、現場監督は予算やリソースが限られた中でどのように設計しリスクに対応するかを決める必要があります。
一日のスケジュール
普段一日のスケジュールは下記のような働き方をしています。
▶7時~8時
MTGで当日の段取りと計画を立てます。
▶8時~10時
現場作業員の方との朝礼、その後現場確認を行います。
▶10時~13時
事務作業、その後休憩に入ります。
▶13時~17時
事務作業と現場確認を行います。
土曜は隔週出勤、月の休みは6日程度です。
学生時代の過ごしかた
学生時代は大きく2つの活動にのめり込んでいました。
稼ぐために全力で取り組んだ新聞営業
学生時代にまずは稼ぐことが重要だと考え、成果報酬の新聞営業を始めました。
地道な仕事でしたが徐々に月40万円を稼げるようになり、どんどんのめり込んでいきましたね。
自分で1から始めた家庭教師事業
大学修士2年生の時には新聞営業で稼げてきたので、自分の力を試すために自分で家庭教師事業を立ち上げました。
事業では自分のやりたいことに取り組める反面、バイトとは異なり営業からマーケティングまで全てをこなす必要があります。
お金を頂いているプレッシャーも強く、すべて一人でこなしていたためとても大変でした。
教えた以上のことを教えることが教育
自分自身の家庭教師の経験から教育とは先生が教えた以上のことを生徒が学ぶことに価値があると気づきました。
これは仕事でも共通ですが部下や後輩に何かを教えるとき、ただやり方を教えるだけではそれ以上の学びはありません。
そうではなく最初に最終地点とヒントのみを与えられ、その道筋を自分で切り開くことで教えた以上のことを初めて学べます。
これは子供も大人も同じで、サークルやバイトの後輩に教える機会があればこれを意識すると良いと思います。
お金を稼いて初めて気づくこと
学生時代にすべきことは「とことんお金を稼いでみること」です。
お金を稼ごうと思うと学業やサークル活動などを犠牲にしてまで取り組むかどうかを考える必要があり、自分がお金以外に大切しているものを知ることができると思います。
自分にとって大切なものを知ることは将来の就活の軸を決めるとき必須なのでするべきです。
仕事の哲学
スーパーゼネコンを選んだ理由は2つです。
ピラミッドを統率する
1つ目は人とお金を大きく動かす経験をしてみたかったからです。
スーパーゼネコンの現場監督は、リーダーとして人とお金を動かす仕事です。
一つのプロジェクトの指示系統のピラミッドを考えると、現場監督の下に下請け、その下に他の下請けや職人さんがいます。
いくつも連なった30~40の階層を持つピラミッドを統括しなければならないので本当に多くの人とお金を動かす仕事であり、それがとても魅力的でした。
勝率×志望で合理的に考える
2つ目は大学の研究室が建築学科でゼネコンが身近だったからです。
やりたいことと自分の勝率を秤にかけた結果、一番合理的な選択がゼネコンだったんです。
誰よりも泥臭く努力する
仕事をする上で大切にしているのは「どんなことでも泥臭くやりきる」ことです。
そのルーツは大学時代にあります。
1浪して大学入学後、自分より頭の良い人がたくさんいました。
その人達に自分が負けないことを考えたとき、「泥臭くやりきる力は誰にも負けない」と思ったんです。
仕事でもその気持ちは変わらず、先輩にも「驚くほど根性があるやつ」として信頼されるようになりました。
緻密に計画をたて、都度修正する力が必要
建築現場では、たくさんの人が別々の場所で工事をしているため、小さな問題があらゆる場所で起こります。
一方で建築物を建てるスケジュールは決まっており、問題が起きたとしても都度対応ができる「強い計画」を作る必要があります。
今後のキャリアビジョン
今後のビジョンとしてハウスメーカーを自分で立ち上げたいと思っています。
家を建てることは皆の夢だと思い、そのお手伝いができる仕事をしたいと思っています。
できるだけ無駄なコストをかけず、家主さんがちょうどほしい家を作り上げたいです。
学生へ一言
何かを選択するとき本当の正解は分かりません。
お金や世間体のために嫌なことをするのではなく、面白そうな方向にまい進することがその場での正解です。