就活の答え合わせが済んだ社会人視点から、後悔しない就活軸を見つけるインタビューサイト“Career Anchor”
今回は新卒で外資系のITコンサルティング企業に入社し、現在は日系のコンサルティング企業で働くKさん。
外資系ならではの「文化の違い」から生じる働き方や、コンサルティング業界の「泥臭い実態」について語って頂いた。
これまで幅広いOB,OGのキャリアをインタビューしてきた経験を元に、業界/職種の理解を深めるキャリア面談を実施しています。
Kさんの仕事内容
数十億規模!外資ITでの仕事内容
まず新卒では外資系のITコンサルティング企業に入社しました。
主にしていたことは「SAPの導入支援」です。
数十億円規模の案件に関わっていて、70,80人くらいで仕事を進めていました。
そもそもSAPとは何なのかについて軽く説明をしておくと、ドイツにあるSAP社が提供するERP製品のことです。
そのERP製品とは、ヒト・モノ・カネ・情報などの「経営資源」をまとめて1つのシステムで管理できる製品のことですね。
元々、各部門ごとにシステムが存在する部分最適な運用がメインでした。
しかし部門間で情報を共有する際、何度もメールのやりとりが必要になるなど、非効率な面が目立つようになったんですよね。
そこで1つのシステムで情報をまとめて管理できるようにする、全体最適な運用を実現したのがERP製品です。
そんなSAPの導入支援を行っていたんです。
顧客がSAPを導入する際に、しっかりと要望を伺い、その要望をSAPのどの機能で解決できるのか擦り合わせます。
しかしSAPの標準機能だけでは解決できないケースもあるので、
・追加で開発するのか
・そもそもプロジェクトの対象外にするのか
などの対応方針を決めていました。
グローバルに仕事をする難しさ
外資系だったこともあり、海外の方と仕事を進めていました。
例えば、インド人との仕事ではMTGがあっても遅れてきたり、無断で欠席されることもありました。
期日に向かってキッチリと間に合わせることが仕事だったので、スケジュール管理が非常に難しかったですね。
働き方は案件次第、コンサルの働き方
転職した先の日系コンサルティング企業では、どんな案件に、どんなポジションで関わるかによって「仕事内容」が決まります。
実際に私が関わった案件を1つ例にお話しします。
当時、自動車会社のシステムを開発する案件に、プロジェクトの管理者として関わりました。
最近、自動車業界でトレンドになっているコネクテッド領域の案件を担当していましたね。
所謂、スマホを使って自動車のエンジンをかけたり、車内のエアコンをつけたりする領域です。
実はこの自動車とスマホを繋げる際、色んなシステムを組み合わせなければなりません。
例えば、各車種の違いを判別するシステムや、その自動車にどんな機能があるのかを管理するシステムなど。
行っていたことは開発スケジュールの調整や、開発に関わる関係者との連携です。
期限に向かって円滑にプロジェクトが進むように、全体を管理していました。
Kさんの就活軸と、新卒入社した結果
当時、「楽しいことができればいいや」といった気持ちで就活をしていました。
かなりスカスカな状態から始まりましたね(笑)
「自分にとって楽しいことは何か」を考えていくと、「自分の世界が広がっていくこと」だと気づいたんです。
そこから更に深堀っていき、「人・知・場」の3つの観点から就活の軸に落とし込みました。
①人の観点
社内外の色んな方と信頼関係を築きながら仕事がしたい。
②知の観点
興味関心があったテクノロジー領域の知識を深めながら働きたい。
③場の観点
お金を生み出す資産(スキル、経験)を持つことで、場所に囚われることなく生きていけるようになりたい。
最終的には外資系のITコンサルティング企業を選択し、入社を決めました。
「カネと箔」を得るための転職
概ね新卒で入社した際にギャップはなかったのですが、働き始めてキャリアの考え方が大きく変わりました。
元々はガツガツと働いて、「社内でどんどん出世していきたい!」と思っていたんです。
しかし1社目で働いている先輩の姿を見たとき、私自身先輩のようになりたいと思えませんでした。
四六時中働いている姿、胃や肺に穴をあけながら働ている姿を見た時に、そう感じたんです。
そこから1社目で働き続けるより、個人事業主やフリーランスとして働いていくことを目指し、転職を決意しました。
・現在も動かしている事業に充てるお金を得ること。
・仕事を獲得する際に、信頼できると判断されやすい経歴を得ること。
上記2点を目的に今働いている日系のコンサルティング企業を選択しました。
コンサルを目指すなら覚悟を
コンサルにきらびやかな瞬間はない
就活生のみなさんには、コンサルではきらびやかな瞬間は1%もないことを理解していて欲しいです。
・難易度が高すぎて自分達ではどうしようもない仕事
・お客さんがやりたがらない仕事
・誰かのせいにしたい仕事
上記のような仕事を外部発注という形でコンサルが任されるんです。
しかし、”きらびやか”に働けることはありません。
UP or OUT、昇進するか退職するか
昔ほどUP or OUT(昇進するか、退職するか)の風土は残ってません。
最近ではUP or STAY(昇進するか、現状維持か)と呼ばれることが多いです。
とはいえ若干、UP or OUTの風土は残っていたりします。
例えば、あまりプロジェクトに貢献できていない人は、期間中にプロジェクトから外されたりします。
特に戦略系のコンサルティング企業はそういった風土が強いです。
一方、総合系だと長期なアサインになることが多いので、長い目線で人材を育てていく認識が浸透しています。