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今回は、大手IT企業の法人営業職からSaaSを扱うベンチャー企業に転職されたSさんにお話を伺った。
大手からベンチャーに転職後の現在も、法人営業に関わっているSさん。
長く携わってきたから言える、法人営業の特徴について語っていただいた。

法人営業職の仕事内容
大手での法人営業
私は、大手のIT企業で法人営業をしていました。
主な仕事は、直販営業と代理店営業の2種類に分けられます。
まず、直販営業は、顧客となる企業に直接営業をかける仕事です。
例えば、多くのトラックドライバーを抱えている運送会社への営業がありましたね。
この運送会社は、飲酒運転による事故をきっかけに、厳しいアルコールチェックを課すようになりました。
しかし、検知器が営業所に固定されていたため、ドライバーはアルコールチェックのたびに営業所に戻らなければなりません。
そこで、アルコールチェッカーを携帯に差し込んで検査できる仕組みを提案しました。
その結果、5,000万円近くの受注をいただいたことがあります。

2つ目の代理店営業の仕事は、自社製品を販売してもらう代理店のマネジメントが中心です。
各代理店の売り上げ目標に対する達成度の確認や、その数値に合わせたサポートなどをしていました。
それに加えて、アライアンス(業務提携)の仕事もしていました。
具体的には、他社の商材を自社の商材と組み合わせて1つのサービスにする「パッケージ化」の提案です。
運送会社への提案時には、アルコール検知器の会社と提携し、自社の商材であるスマホとセットにしたパッケージを作りました。
ベンチャーでの法人営業
現在は転職し、ベンチャー企業で働いています。
Uber Eatsや出前館など複数のデリバリーサービスを導入している飲食店に向けて、注文を一元管理するためのSaaSを販売する会社です。
私は、法人営業だけではなく、事業の戦略部分と実行部分の2つの領域で仕事をしています。
戦略部分の業務は、目標達成に向けてヒト・モノ・カネなどのリソースの分配方法を決めることです。
SaaS業界には、業績を前年比3倍に伸ばして事業を拡大させるという成長指標があります。
参考サイト:SaaSのスタートアップ企業が知っておくべき「T2D3」とは?
その目標を無理なく確実に達成できるように、予算や人材採用の方針などを決めています。
2つ目の実行部分の業務は、私が担当する営業の仕事と営業部隊のマネジメントです。
営業では、大企業向けと営業代理店向けの2種類に携わっています。
営業部隊のマネジメント業務では、営業目標の整理と、メンバーが実行している中でぶつかる課題の解消に取り組んでいます。

就活の軸と入社した結果
私は、とにかく内定をたくさんもらってから、行きたい企業を考えるという就活をしました。
実は、大学受験に失敗したこともあり、社会的ステータスの高いところに入りたいという気持ちがあったのが本音です。
そのため、IT業界、メガバンク、商社、メーカーなど、業界関係なく就活をしていました。
内定後の会社の選び方
内定後の会社選びでは、
①事業をつくるために必要な実力がつく会社
②ITの知識が学べる会社
の2つを軸にしていました。
その理由は、土地運用を通じて自由に生活する親を見てきたことと、学生時代にいろいろな経営者に会ったことの2つが挙げられます。
特に、有名な経営者に会って、その世界観に圧倒されたことは大きかったです。
ある経営者を訪ねたときは、何人かの外国人に囲まれて「一緒に事業を作るベトナムやフィリピンの仲間ができたんだ〜」と楽しそうだったり。
単にお金を稼ぐだけではなく、自分の理想を本気で追求していることに大きく影響されました。
最終的に、事業を作るうえで必要不可欠な営業スキルを学ぶために、大手IT企業の法人営業に着地しました。
入社後、ギャップは感じなかった
内定獲得後、いろいろな人に話を聞いて入社を決めたので、入社後のズレは感じませんでした。
また、自分の選択が正しかったのか考えるより、自分の選択を正解にする意識が強いことも作用したと思います。
学ぶことは無限で、いろいろな方にお世話になりながら、自分の選択を正解にするよう努力していました。

法人営業を目指す学生が留意すべきこと
法人営業では、熱意で相手を説得するような人の活躍はあまり見たことがありません。
最も重視されるのは、戦略や合理性です。
きちんと戦略を練って、年上の相手にも物怖じせずソリューションを合理的に提案できれば、口下手な人でも大丈夫だと思います。
ただし前提として、その分野のことは相手より事細かに知っておく必要があります。
そのために「常に知識をアップデートする努力」を厭わないことが大切です。
法人営業職に重要な3つの資質
法人営業には、一般的に以下の3つの資質が必要だと言われています。
企業の役職者に対する営業なので、大半の相手は自分の2倍以上年上です。
その場をコントロールするために、圧倒的な知識量や精神力が問われる仕事だと思います。
どんな営業でも同じですが、最も重要なのは相手の本音や本質的な課題を理解できているかということです。
相手の経営会議に盗聴器を仕掛けられればいちばん早いのですが(笑)
いろいろな数字から論理的に考えるコンサル的な姿勢と、相手に合わせる適応性が求められると思います。
Sさんの就活の答え合わせ
